その日、僕は神になった
それでも彼女は、万年嫌われ者の、どこに行ってもゴキブリのように扱われている俺に声をかけてくれたのだ。そんな優しさが、俺の心を今も切なく締めつけ、息苦しくさせているのだ。その胸の痛みは、触れたいとか、独占したいとか言った、野蛮な思いからではない、ただ見つめるだけで至福に満ち、同じくらいの虚無感を与える、淡い恋心からだった。
嫌いになることに理由は合っても、好きになることに理由なんて存在しない。有り触れた言葉だが、そうとしか説明がつかなかった。
嫌いになることに理由は合っても、好きになることに理由なんて存在しない。有り触れた言葉だが、そうとしか説明がつかなかった。