その日、僕は神になった
「忙しい中時間を取らせてもなんだ、何と言っても神の秘書なのだからね、さぞお忙しいでしょう。担当直入に申します…」
 私は背中に一筋の汗が流れるのを感じた。世間話などで牽制してくると思っていたからだ。だが相手は奇襲をかけてきた、私は今寝込みを襲われたのも同然だ。
「第六代目東の神、彼の身に何が起きたのか、…でしょうか?」
 面食らったのはカムイの方だった。奇襲攻撃には、奇襲攻撃で返すしかない。出鼻をくじかれる訳にはいかなかった。
「…ほぅ、あなたもそのことに気付いていましたか。ならば話は早い、私と君は同胞だ、お互いの情報を交換し合おうではないか、この天界のためにも…」
 カムイは表情を一転させた。その起点の早さたるは、流石としか言いようがない。
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