その日、僕は神になった
「東の神殿内では、先代の神が神々の審判により辞任に追い込まれ、途中で神が交代するという、天界でも前代未聞の事態に混乱していました。その混乱を和らげるためにも、神はあえてあのような発言をされたと申しておりました」
「なるほど。ならばなぜ君は、途中で神を檀上から引き下ろすような真似をしたのかね?打ち合わせをしておいて、そういう段取りになっていたなんて言わせないぞ。誰が次期神に選ばれるかは、名前が呼ばれるその瞬間まで誰一人として知る者はいなかったのだからな」
「おふざけが過ぎたからです。私は秘書として、今後使える神の面子を思いあの場ではあのような行動を取ったのです」
 自分でも苦しい言い訳だとは分かっていた。だがそれ以外に何と言えば良かった?神の言動は、私ですら予想外だったのだ。
< 197 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop