その日、僕は神になった
「ヒントはそれだけではない、君は俺にビートルズを勧めた。スバルという男はローリングストーンズ派だった。それなのにあえてビートルズを勧めた。それも記憶を取り戻させるために。そこには何のリスクもないはずだった。だがそんな些細な変化に目ざとくも気付いた者が現れた。…正直カムイの存在は予想外だったんじゃないのか?
 そして最大のヒントはレイチェル、君自身だ…。君はこの計画のためにその容姿すらも変えた。斉藤楓真が、俺が生前愛した女性、玲花の顔に…。そうだろ、レイチェル!」
 彼女は観念したように首を縦に振った。
 俺はいくら考えても分からなかった謎の答えを、問いただそうと思った。なぜわざわざ奪った記憶を、取り戻すように仕組んだのか…。だが口から出てきた言葉は、全く違うものだった。
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