その日、僕は神になった

五章

「なぜ私たちがこのような行動に出たか、先ずはそこからお話します…」
「待って、今私たちが、って言ったよね?私たちっていうことは、君以外にも共犯者がいるってことか?」
 共犯者、その言い方が正しいのかは分からなかったが、他に相応しい呼び方が思いつかなかった。一体誰なのだ?他の三人の神々か?まさかカムイ?いや、その誰でもない。一体誰なのだ?
「はい。ですがその者に関しては順を追ってご説明いたします。神、あなたはご自分が、神々の鉄鎚を速やかに遂行するために、このような事態に巻き込まれた、そうお考えでしょう?」
 俺はレイチェルの質問に頷いた。それ以外にどう考えればいいというのか?だが同時にそれは、俺の中でどうしても解せなかった謎の一つでもあった。神々の鉄鎚の迅速な執行が目的ならば、こんな面倒なことをしなくとも、スバルがその役目を果たしていたはずだ。
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