その日、僕は神になった
「その細工というのが、スバルと俺の意識を入れ変える?」
「正確には、スバルの意識を眠らせ、あなたの意識を滑り込ませる、です」
 俺は顔の筋肉が引きつっていくのが分かった。
「なぜ俺だったんだ?他にも適した奴が、この天界には腐る程いるだろ?」
「この天界には、誰一人として神々の鉄鎚に反対する者はいません」
「いるじゃないか、レイチェル、君がいるじゃないか!」
「私は先代なき後に、その意志を継ぎ、時期神を誘導するという役目がありました。だからこそ、その人物を人間界から選んだのです」
「だからって何で俺なんだ!人間界にだって、俺なんかよりずっと神に適した人間はいくらでもいただろ!」
 俺は苛立ちを隠そうとしなかった。そんな俺の苛立ちを無視するように、彼女は続けた。
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