その日、僕は神になった
「先代は残された時間を使い、自らの意志を託すに値する人物を探し続けました…」
「だから何でそれが俺だったんだ!」
「そして見つけ出しました。人間を、自らを、強く強く憎むあなたを」
俺は大声を上げて笑った。彼女の返答は矛盾そのものだったからだ。
「あなたは決して幸福と呼べるような人生を歩んで来ませんでした。いえ、憎しみと絶望に満ちたそれを歩んで来ました。誰にも愛されず、常に孤独に身を寄せる。それでもあなたは一人の女性を純粋に愛した。その女性に酷い裏切られ方をしても、その思いは変わることなく、その命を張って、その女性を守った。
あなたは誰よりも人から愛されることのない悲しみを、孤独を知っていた。だからこそ、それと同じくらい人を愛する力が、優しさが芽生えていたのです」
「だから何でそれが俺だったんだ!」
「そして見つけ出しました。人間を、自らを、強く強く憎むあなたを」
俺は大声を上げて笑った。彼女の返答は矛盾そのものだったからだ。
「あなたは決して幸福と呼べるような人生を歩んで来ませんでした。いえ、憎しみと絶望に満ちたそれを歩んで来ました。誰にも愛されず、常に孤独に身を寄せる。それでもあなたは一人の女性を純粋に愛した。その女性に酷い裏切られ方をしても、その思いは変わることなく、その命を張って、その女性を守った。
あなたは誰よりも人から愛されることのない悲しみを、孤独を知っていた。だからこそ、それと同じくらい人を愛する力が、優しさが芽生えていたのです」