その日、僕は神になった

六章

　それは本当に偶然の出来事だった。神への疑いを抱きながらも、何の前進もなかった私にとって、正に目から鱗の出来事だった。
　私はその日、偶然にも神が資料庫の中に入って行くのを見かけた。そして私の直観は訴えかけた、何かある！と。そして数十分後に再び姿を現した神の青ざめた、鬼気迫る表情を見て、私は思わず笑みを零していた。
　嬉々として資料庫の中に足を踏み入れ、早速神が見ていた資料を探した。そしてその以外過ぎる資料を見て、私の頭の中にはクエッションマークが飛び交った。それは現神スバルと、その秘書レイチェルに関する経歴などの記された資料だったからだ。なぜこのような資料を見る必要があった？そしてなぜ、あんな鬼気迫る表情で出て来たのだ？