その日、僕は神になった
私の立てた仮説はこうだ。神は何らかの事件、事故…、いや、天界でそんなことが起こるはずがない。だとすれば必然的にこうなる、誰かしらの意図によりその記憶を封じられた、と。そしてそれは神就任直後に起こったことだろう。それならば就任直後の挨拶で見せた、あの不可解な言動に納得がいく。そして神は偽の記憶を植え付けられた。これで突如急変した趣味に関しても納得がいく。だが誰が、何のタメにそんなことをしたのだ?誰が、それは考えるまでもない、レイチェルだ。だが彼女一人の仕業だとは到底思えない。なぜならば、彼女が神の記憶を封じられる程の力を持っているとは思えないからだ。ならば彼女は白か?いや、黒だ。偽の記憶を植え付けることが出来るのは彼女しかいない。現に神はこう言った、「秘書がビートルズ好きで、その勧め何だ」と。だとすれば共犯者がいるはずだ。それも神の力にも匹敵する力を持った者だ。そしてその人物こそが、今回の主犯と考えていいだろう。だがそれは誰だ?この東地区に神にも匹敵する力を持った者、それは私くらいだ。ならば他の地区の者か?そうだとすれば、その共犯者を見付け出すことは困難を極める。