その日、僕は神になった
彼女はこのまま目を覚まさない方が幸せなのではないだろうか?葬式の時の悲愴に満ちた表情を、その悲痛の叫びを思い出す。これから彼女を待ち受けている明日は、俺に待ち受けていたそれよりも、ずっと酷なものとなるのではないか?彼女は一生降ろすことの許されない十字架を背負っていかなければいけないのだから。それを誰かが強要する訳ではない。逆に周りはその十字架を一日でも早く降ろすよう、彼女の心をケアしていくだろう。だが彼女は自らの重荷を降ろすことを許しはしないし、周りのどんな言葉もそれを許すことには繋がらないだろう。その重荷を取り払ってやれるのは、俺だけなのだ。だがその俺は間もなくこの世を去る、彼女にその重荷を背負わせたまま…。