その日、僕は神になった
 なぜ神々は過去の教訓を活かし、その点を改善してこなかったのだろうか?同じような過ちを繰り返しているのは、人間ばかりではない、天界の住人もそうではないか?いや、もとを辿れば、人類の創造主が同じ過ちを繰り返しているからこそ、人類が同じ過ちを繰り返しているのではないか?完璧な存在としての、創造主としての傲慢さが、彼らにそれすらも気付かせていないのかもしれない。だとすれば、自らの過ちを悔いるだけ、天界の住人よりも人間の方がマシなのでは、救いようがあるのではないだろうか?例え今の人類を滅ぼし、新たな人類を誕生させたとしても、天界の住人はまた同じ過ちを繰り返すだろう。破壊と創造を繰り返す…。
 俺は小さく微笑んだ。自嘲の笑みだ。なぜか?俺が考えていることは、俺をこんな目に合わせた犯人、第五代目東地区神が考えていたことと同じだったからだ。
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