その日、僕は神になった
 人類にとってはどうだ?今彼らの生命を救うために、もう一度神々の存在を、威厳を思い出させることは可能かもしれない。だがそれは一時凌ぎにしかならない。彼らが再びそのことを忘れてしまえば、神々はまた神々の鉄鎚の執行を検討しだすはずだ。それでは何も変わらない。その負のループを断ち切ることには繋がらないのだ。彼らは地球の支配者としての驕りを捨て、絶対的な存在、神という存在を再び思い出す必要がある。それは宗教をもっと普及しろ、神を崇め奉れという訳ではない。なぜならば俺は宗教家でも、宣教師でもないからだ。ならばどうすればいい?  
 彼らは思い出す必要があるのではないか?この広い宇宙の中で、唯一生命として誕生出来た理由を、そのための星が生まれた理由を。そこには奇跡的な力が働き、自分たちはその力によって、今ここで生かされているということを。

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