その日、僕は神になった
 レイチェル、そして玲花の、両親の涙が頭を過ぎった。大丈夫、きっと彼らなら変われる。いや、彼らのために俺が変えるのだ。
俺は何を難しいことを考えていた?答えはもっと単純ではないか。俺はレイチェルを悲しませたくない、彼女の力になってやりたい。どれだけお人好しなのだ?こんな仕打ちを受けながら尚、彼女のためを思うなんて…。そして俺は玲花や両親の命を奪うことは出来ない。それは彼らに酷な未来を突き付けることとなる。だが彼らはその中でもがき苦しみ、いつかその負のループから抜け出し、本当の幸せを掴んでもらいたい。
 六十億の生命だとか、天界の未来、そんな難しいことは分からない。何が正しいかも、だ。だが俺は愛した人々の幸せを願っている。そしてそれが人類、天界の住人のためになるような気がする。
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