その日、僕は神になった
「次の会議で、反対の意を唱えようと思う」
 彼女の表情に一瞬安堵の色が浮かび、次の瞬間にはいつもの凛とした表情に戻された。彼女からしてみれば、俺がこのような決断を下すことなど計算の内なのだ。だがそのことに対して腹は立たなかった。先代とレイチェルの掌の上で転がされているだけかもしれないが、最終的な決断を下したのは俺自身なのだから。
「俺は先代、そしてレイチェル、君たちを許した訳ではないし、そのつもりもない。だが俺は俺の大切な人々を守るために、先代の考えに賛同する。そのために、俺は今後どのように行動すればいい?先代からの指示を教えてくれ」
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