その日、僕は神になった
 モニター上には大きなキノコ雲だったり、マグマや津波に飲み込まれていく都市、ウイルスにもがき苦しむどこかの大統領、暴徒と化した市民の映像が次々と映し出された。俺はこの映像を見てただただ感心していた。ハリウッド映画なんてレベルではない。正に実写だ。今現在地球上では神々の鉄鎚が執行されており、そのリアルタイムの映像を見せられているのではないかと思う程に克明な出来だった。
 北の神は説明を終えると、最後に付け足した。
「今回の神々の鉄鎚の大元となる原案は、東地区神より発案されました。何かと慌ただしい出来事が続いた東地区で、その混乱に動じることなく見事な働きを見せた六代目東地区神に、皆様、壮大なる拍手をお贈り下さい」
 約四百の腰が持ち上がり、約八百の手と手が叩かれ、その瞳が一様に俺を捉えた。
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