その日、僕は神になった
「平和…。何かの犠牲の上に作られた平和を、本当の平和と呼べるのでしょうか?それが初代神々の描いた、理想の天界の姿なのでしょうか?」
「このような言い方は好みませんが、六代目東地区神、あなたのおっしゃることは綺麗事でしかありません。神としての経験が浅いがために、そのような世迷言をおっしゃるのです。私たちは何百年、何千年と神という役職を務め、現在の人類を見守って来たのです。
 出来れば私たちも神々の鉄鎚など執行したくはありません。我が子を手にかけるも同然なのです。ですが天界のことを考えれば、このような手段を選ばざるを得ないのです」
 三百九十七の首が同意するように頷いた。
「そのような事態を招いた責任は、果たして人類のみにあるのでしょうか?私を含めた神々、天界の住人全てにあるのではないでしょうか?我々が今やろうとしていることは、いや、歴代の神々がやってきたことは、その責任を全て人類に押し付けてきただけではないでしょうか?」
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