その日、僕は神になった
「それが綺麗事だと言っているのです!我々が現状に至るまで、指をくわえてただ眺めていたとでも言うのか!
人類救済のために、我々の存在を確固たるものとするために、ノアの箱舟しかり、キリストの復活、モーセの導き、様々な使徒を送り、様々な奇跡を起こしてきた。それなのに人間はどうだ、進化と共にそれらを神話とし、我々の存在を軽視していった。挙句の果てには自らが神であるかのように振舞い、地球を破壊し続けている。
そんな人類に対して、情状酌量の余地があるとでも言うのか」
 北の神の激昂。だが俺はそれに怯む訳にはいかなかった。
「ありません…。ですが北の神、それでは同じことを繰り返すだけです。新たな人類の創造と破壊、そこには本当の平和も、安息もないはずです!」
「ではどうしろとおっしゃる?」
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