その日、僕は神になった
「全知全能の我々に対して人間以下とは、もはや正気の沙汰とは思えない発言ですな」
「その傲慢な考え方が、あなた方の目を盲目にしてしまっているのです!どうか冷静に、私が言っていることの意味をお考え下さい」
「冷静になる必要があるのはあなたです、東の神!まったく五代目といい六代目といい、東地区はどうなっているのだ!何か悪いウイルスでも蔓延しているのか」
 西・南・北の住民が笑い声を上げ、冷やかな視線を東地区の住民に送っている。その視線を浴びた彼らは、自分達は無罪放免だ、悪いのはあいつ一人だ、そう言った視線で俺を睨みつけている。
「私も最初は先代の考えは愚かとしか思えませんでした。ですが神という立場に就き人類の、そして天界のことを考えていく内に、先代の言っている意味が分かって来たのです。そしてそれが正しいと」
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