その日、僕は神になった

「東の神、あなたがここまで今の人類に固執されるには、何か理由がお有りなのでしょうか？」
　ある、どうしても譲れない理由が…。だがそれをどう説明すればいい？全てを話すか？俺の身に起こったことの全てを…。いや、そんなことをしては元も子もなくなってしまう。だがそれ以外に、俺の思いを全て彼らに伝える方法はあるのか？先代以上の説得力を持った説明があるのか？
　いや、ない。その方法を除いては…。
　いや、ダメだ。そんなことをすれば俺は神の座から降ろされてしまう。神々の審判とかそういう問題ではない、何らかの特別な処置が取られるだろうことは、俺にだって想像が付く。そればかりではない、そうなれば被害はレイチェルにまで及んでしまう…。
「黙っているということは、何か理由がお有りということですね？」