その日、僕は神になった

「だから何を言いたいのだね！」
「何かを変えるということは、先ずは自分が変わることではないでしょうか？誰かが変わるのを待つより、自分が先ず変わり、相手を変えていく方が早くはありませんか？」
　俺は自らの言葉にぎくりとした。…分かっていたのかもしれない。斎藤楓真であった頃から。誰も悪くはない、全ては自分に責任があったことを。ただそれを認める勇気がなく、誰かにそれを押し付けていたことを。だからこそ俺は、玲花に告白したのだろうな。自分と、その周りの世界を変えようとして。
　だとしたら俺は、玲花に救われたのかもしれない。救ってやったと、どこかで思っていたが、そうではないのかもしれない。ならば再び玲花を救おうとしていることは、当たり前のことなのかもしれない。
　俺は再び口を開いた。玲花のことを、俺の一世一代の告白を、その結末をゆっくりと語った。