その日、僕は神になった
 計画は失敗に終わった。だが私は彼を、第六代目東地区神、斉藤楓真を恨んではいなかった。彼は先代の意志を継ぎ、東地区神として見事に闘ってくれた。そんな彼をどうして恨むことが出来るだろうか?きっと先代も同じことを言うだろう。あの方はそういう方だ。
 こんなことを言えば、先代に合わす顔がないかもしれないが(二度と会うことはないと分かっているが)、私はどこかでこの結果を喜んでもいた。私に下される処罰は分かっている。きっと人間界への永久追放だろう。それは天界においてもっとも重い刑だ。無に帰ることよりも重い、混沌に満ちた人間界で、永遠と輪廻転生を繰り返していくのだ。
 だが私は、その刑を謹んで受け入れよう…。
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