その日、僕は神になった
 三度目に足を踏み入れた中央神殿の大会議場は、正に死刑執行の場となるのだ。正面に三人の神々が並ぶ。その一番左の席が空席であることに、俺は若干の違和感を覚えた。ついこないだまでは、そこは俺の席だったのだ。背後からは無数の刃が向けられている。天界の住人の視線だ。そして俺の横には、いつも通り整然とした姿で立つレイチェルの姿があった。
 静寂の中、北の神は立ち上がり、調査結果を淡々と読み上げ始めた。やはり彼らは全ての真実を突き止めていた。言い訳のしようも、レイチェルを庇う隙すらも、そこには存在しない。俺の前には、もはや絶望しか残っていないのか?そう心が折れそうになるほど完璧に。
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