その日、僕は神になった
「二人の処罰を告げる前に、一点、皆様に周知していただきたいことがございます」
 何事かと訝しむ周囲。そして続いて発せられた言葉に、場内のみながその耳を疑った。
「私たち、北・南・西の神は、今日をもって総辞職いたします」
 無音の後のざわめき。それをたしなめるように北の神は続けた。
「みななぜ、と思われるでしょう。だが今回の騒動の責任は、主犯の三人だけにある訳ではありません。その計画に気付き、未然に防ぐことの出来なかった、我々にもあります。この天界の統治者としての、管理不届きの責任を取り、本日をもって総辞職とさせていただきます」
 俺は驚きを飛び越え、罪悪感を感じていた。今更になって、自ら起こした行動の、重大さを知ったのかもしれない。
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