その日、僕は神になった
 どれくらいの時間が経ったのだろう?五分かもしれないし、五時間かもしれない。もしかしたら五日くらい過ぎていたのかもしれない。この天界に来てからは、時間はあるにはあるが、それに縛られることはあまりなかった。そのせいからか、時間感覚が幾分か鈍っていた。
 黙り込んでいた間、場内は静まり返ったまま、誰一人俺に決断を求める者はいなかった。この世界に置いて、時間は永遠に等しいのだ、その分気も長いのかもしれない。いや、そんなことはない。それならば、あんなに神々の鉄鎚の執行を焦ったりはしない。彼らは俺が決断を下すのを、ジッと待っていてくれたのだ。
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