その日、僕は神になった
 東の神殿の自室、今この神殿には俺とレイチェルしかいない。
「予想外の結末になったね。君は第七代目東地区神となり、俺は人間として再び生を受ける…。レイチェル、この結末によって、俺は君を救えたんだよね?」
 はい、そう言って作られた笑顔は、心からそう思っている笑顔ではなかった。
 こんなことを聞くのは野暮かもしれない、だが最後に、俺はどうしても確かめたいことがあった。その答えを、彼女の口から聞きたかった。
「レイチェル、君は第五代目東地区神、先代を愛していたんだね?」
 …はい、一瞬の間の後に、彼女は申し訳なさそうに答えた。
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