その日、僕は神になった
「別に君を責める気はないんだ。俺がいつか君に、なぜ先代の計画に載ったのかを聞いた時、君はこう言ったね、先代の意志に賛同したからだと。でもそれだけじゃなかった。先代を愛していたからこそ、彼に協力したんだね」
 はい、今度のそれは、先程のそれよりも一段とか細く響いた。
「愛などと言う感情は、子孫を残すためだけの感情であって、この天界ではとっくの昔に無くなった感情だ、って君が言っていたのを覚えているかい?」
 彼女は首を縦に振って答えた。
「でも本当は、二度と会うことの出来ない先代に対する想いを封じるために、そう言ったんじゃないのかい?そう思おうとしたんじゃないのかい?」
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