その日、僕は神になった
「その愛が、きっとこの天界を変えたんだよ。
 俺はそろそろ行くよ。出来れば、そうだな、俺がしばしの眠りに就くまで、ここに居てもらえないか?そして頃合いを見て、中央神殿に戻ってもらえないか?」
 ですが…、何かを言おうとする彼女に対し、俺は首を横に振って、それ以上の言葉を奪った。これ以上、失恋後のショックを隠せそうもなかった。覚悟していたこととは言え、やはり本人の口から聞かされると、相当に堪えるものだ。
 それにこれ以上彼女と一緒に居れば、自ら下した決断を覆してしまいそうだった。長い時間をかけてでも、彼女の心を振り向かせたくなってしまう。
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