その日、僕は神になった
 そんな馬鹿な!あんなにリアルな夢がある訳がない!だが夢なのかもしれない…、あんな馬鹿げた世界が存在するはずもなければ、夢ならば世界が滅ぼされることもないのだから。夢ならば夢でもいい、例え夢だったとしても、俺はもう以前の俺ではないのだから。
 夢の中で俺は東地区の神となり、三人の神々と戦い、カムイと戦い、レイチェルを愛し、天界を、玲花や両親を守ろうとし、一皮も二皮もむけて帰ってきたのだから。そして生を全うすることを誓ったのだから。
 俺は、ただいま、と言おうとしたが、口が動かなかった。そうだ、俺は玲花を守り事故にあったのだ。それは夢ではない、この体は重症患者のそれなのだ。
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