その日、僕は神になった
場内全体からそんな声が飛び交った。見た目の割に親父臭い言葉を使う連中だ。違う、今はそんな冷静な評価を下している場合ではない。
「ドラマでしたっけ…?」
 僕は口の端が持ち上がるだけの、作り笑いで再度訪ねた。
「ご冗談はそこら辺にしていただいて、新たな東地区神としての、意気込みを聞かせて下さい」
 再び大きな笑い声が上がった。僕は募る苛立ちを隠せなかった。


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