その日、僕は神になった
僕は早々と意思を固めた。神々の鉄鎚は執行するべきだと。後は僕がアムーフとしての記憶を取り戻すだけだ。今だ全貌の一端も分からぬ、僕の記憶を封じた誰かを突き止め、その理由を解明し、神々の鉄鎚を執行し僕は神の座を下りよう。
そして今は先ず神の就任式を済ませ、四人の神による会議に参加しよう。もしかすればそこに何かヒントがあるかもしれない。神の記憶を封印出来る程の力があるとすれば、それは他の三人の神ではないだろうか?僕は憶測を立てた。彼らが神々の鉄鎚を円滑に執行するために僕の記憶を封じたとすれば、辻褄も合うではないかと。何と言っても先代東の神は神々の鉄鎚に反対していたのだ。次期東の神、つまりはアムーフに先代の息がかかっており、神々の鉄鎚に反対することを危惧したとすれば、僕の記憶を封印した可能性は十分に考えられる。そして現状の人間界を見れば、誰も神々の鉄鎚に反対する訳がない、そう踏んだのではないだろうか?
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