Live 今を生きる
「時間、ある?」



先に口を開いたのは、秋だった。



「・・・うん?」

話の意図がわからなかったので、

小さくうなずいた。



突然、

秋が明るい声で言った。

「菜々、海行かない?」



「行きたいっ!!」



私の元気のよさに、

秋は小さく笑っていた。




「じゃあ、行こっか」


笑顔でそう言うと、

私の前に手を差し出した。



「うん!!」

秋の手をとった。




やさしくて、

おおきくて、

あたたかかった。

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