右隣の弟/左隣の兄
-――ピンポーン・・・
呼び鈴が聞こえる・・・
私は玄関に向かった。
ガチャ
『はーい・・・どちらさま・・・』
『やっぱりまだいたんだ・・』
そこに立っていたのは苦笑いする嶺南さんだった。
『・・?・・・・・・!!!!!!!!』
『やっと状況読めた?』
『はい!!ごめんなさい!!嶺南さんも起こさないといけなかったのに!!!』
嶺南さんは苦笑いしていた。
私はその時胸の奥が痛かった。
信用失くしてしまったのかな・・・
約束守れなかったから・・・
『初夏ちゃん?京壱はいいの?今9時だけど・・・』
『9時!!!』
私は慌てて先輩を起こしに再び部屋に入った。
後ろから嶺南さんも続いて中に入った。
『先輩大変です!!!!寝坊ですよ~!!!』
と先輩を両手で揺さぶった。
『…ん~…何なんだよ…』
と不機嫌に体を起こす先輩
『もう遅刻ですよ!!!』
『あっそ…』
『あっそ…って!急がないとですよ!』
ベットから降りて呑気に制服を着だし始める先輩
『別に遅れてもいいじゃん…』
『よく無いですよ!ってお風呂場で着替えてくださいよ!!!』
ズボンを脱ごうとしていた先輩を私は止めた。
『何で!めんどくせぇな!』
『めんどくさくないんです!一応私女ですよ!』
『だから?』
『だからって…もういいです!私先に行きます!』
私は荷物をもって部屋を出た。