右隣の弟/左隣の兄
そこには左前髪だけ綺麗な金髪で
耳にはピアスが並んでいて
白いワイシャツに黒いネクタイを着崩して
黒いパンツにそれに合ったジャケットを身にまとった
長身の男の人がいた。
『・・・先・・・先輩!!!!』
私が通っている高校の先輩だった。
しかもうちの高校で1番喧嘩強い不良先輩。
『初夏の先輩さんだよ~★』
『冬志兄ちゃん知ってたの?!!!』
『当たり前だろ?管理人なんだから!』
『そんな~・・・
だって不良先輩だよ!!!!
怖いよ~!!!!!!!!』
『誰が不良先輩だ・・・』
と先輩が眉間にシワを寄せて口を開いていた。
私は慌てて言い直した。
『いえ!空賀京壱(クウガキョウイチ)先輩!!!』
『俺の名前してんだ・・・』
『有名ですから・・・』
『何で?』
『それは死んでもいえないです・・・』
言えるわけないでしょ!!!!
触れただけで妊娠しちゃうとか!
前に歩くと死が近づくとか!
敵にまわすと世界を敵にまわすとか!
そんな噂があるっていえるわけないじゃん!!!!!
『あっそ・・・』
っと京壱先輩は素っ気なさそうに言った
『じゃあ部屋に案内するね~★
初夏!案内して』
『なんで!』
『先輩なんだし~いいじゃん』
『そんな~・・・』
冬志兄ちゃんに逆らえず
私は京壱先輩を部屋に案内した。