いも☆こん
 
「お姉ちゃんじゃないッ!?いつからこっちに帰ってきてたの?」

「さっき。帰る前に連絡入れようか迷ったんだけど、時差の関係で向こうは昼過ぎでも日本では深夜みたいだったから」

ブラジルかよ

「何よもぉ、言ってくれればお母さん迎えに行ったのにぃ…」

「驚かせようと思って」

「ホント驚かされちゃったわぁ」

いやいやいや……





驚くポイントずれてない母さん?





「じゃあ、今日はお姉ちゃんも帰ってきたことだし。お母さん頑張っちゃおっかな!お姉ちゃん何食べたい?」

「んー……」

「何でもいいのよ」

「本格フレンチ」

せめて日本料理にしろよ

「わかったわ。できたら呼ぶわね!」

「はーい」


まるで違和感のない久々の親子再会場面を見せられたが……




違和感ありすぎて本当にユマがお姉さんなのではないだろうか。

そんな錯覚に陥った。


「……もしかしてホントにお姉ちゃんなワケじゃないよね?」

「だからお姉ちゃんだっての」


俺が物心つく前に生き別れた正真正銘の姉だったりするのだろうか。

そして今回急に何かしらの事情で帰ることになり、何も知らされていない俺を驚かせようと……



これは一種のサプライズ?



「……なんか急でビックリしたけど」

「やっと理解したか」

「よろしくお願いします」

「こちらこそ」



少しばかりファンキーなお姉ちゃんみたいだけど

そのうち慣れるよな



「色々聞きたいことはあるんだけど…お姉ちゃん今まで何してたの?」

「このグミを作ってた」

「あ、お菓子会社の企画部とか?」

「IBUの特別捜査員」

「それは、つまり……どんな仕事?」

「詳しくは極秘機密。ただ現在はオカの妹が欲しいという願望を叶えるのがユマの最重要任務。そのために岡根家の長女として潜伏中」





嘘だと言ってくれ、母さん……




 
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