いも☆こん
取扱説明
硬直した。
先程まで硬直していたナニかは萎えたが、目の前の不審者に怯えるしか成す術もなく。
情けねえ……
「おい、おまえ名前は何だ」
「おおかッおかッおおおか」
ビビリすぎて声が出ねえ
「なげえ名前だな」
ちげー!
「"オカ"と略させてもらおう」
もう好きに呼んでくださーい
「ところでオカ……ベリベリベリ」
網戸を突破り大胆な侵入を試みると、これといった前置きもなく、女は話を進めた。
「おまえ揉みたいだろ」
単刀直入!!
「揉みたくないんか?」
誰の……ていうか何を!?
「揉みたい……そんなオカの願いを叶えるためにやって参りました」
どんな慈善団体!!?
さすがに怪しさMAX正体不明の女を見過ごすことはできず、とっさに携帯を手にした。
慌てていたのか、そもそも掛けることのない番号だったため記憶になかったのか
「プルルルル…プルルルル……ガチャッはい、緑ヶ丘消防署です」
やっぱ違ったー!!!
となると、心当たりは一つ。
これがまたしても消防署に繋がったらもう警察を恨む。いや緊急ダイヤルを同じような数字の羅列に取り決めた奴を抹殺しよう。
「プルルルル…プルルルル……ガチャッはい、104の佐々木と申します。番号案内ですね」
ちげー!!救急車すら来ねー!!
「おい、さっきから何やってやがる」
……もう終わった。
俺はこの女に殺されるか、もしくはそれに相応な何かを……
「ホントに揉みたくないのか?」
どうせ死ぬなら、せてもの手向けに感触をとどめるくらい悪くないだろう。
「…揉みたいです」
「そうか」
さよなら……
オレの朝川さん……の胸。