いも☆こん
 
これは彼女の祖国での婚姻の儀式的なものなのだろうか。

グミ食べる=婚姻届にサインする





みたいな?





有り得ない。

不審者である前に、会って数秒足らずの人間から貰い受けたモノを口にする自分も有り得ないが

有り得ないことだらけで、それどころではなかった。


「家族って!いきなり言われても困りますよ!」

「どうして?」

「だって恋愛だとか、百歩譲ってお見合いだったとしても、そういった段階も経ずに結婚って」

そういう問題だけじゃない気もするが

「……結婚?」

「オレまだ高校生だし。キミの祖国では何歳から結婚が認められてるのか知りませんけど、まだっていうか…ムリです!」


勝手に異国の方という位置付けにしてしまったが良かっただろうか。っていうか



そもそも誰やねん!っていう



見ず知らず、ましてや先程までは不審者だった(今でもそうに違いないが)

そんな相手とは婚姻どころか今後一切関わり合いになりたくないに決まっている。


「……そういうワケで、ごめんけど他の相手を見つけてください」

「何を勘違いしてるか知らんが、ユマはおまえのような"俗物"と結納を交わすつもりなど毛頭ない」

「俗物って…でも、さっきは家族になったって言ったじゃないですか」

「なったよ」

「ん?」

「オカは歳いくつ?」

「オレは…16です」

「じゃあユマがお姉さんね」



姉貴ッ!?






……そろそろ説明してくれませんか、ユマ姉さん。
 
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