星に願いを
「うるせーよ、クソジジイ。天界のヤツに俺の何がわかるんだ」
男は煙の奥を、赤い眼で睨み付ける。
「コ、コラ、フラム! 口を慎め。天界神で在らせられる方だぞ」
必死で宥めようとする魔王に向かって、フラムは舌打ちをした。
「てめぇが情けないから、天使達に侵略を許すんだろ。てめぇは黙ってろ」
そして、煙の奥から深い深い溜め息が洩れた。それは天界神のものだと思われる。
「お主はこの世界では必要とされておらん。それはお主自身よく理解しているはずだ」
「ハッ! それはお前らの勝手だろ。俺は俺だ。俺は俺として生きている。何も問題は無いはずだ」
「勝手であろうが、我々の意志だ。お主は魔界から必要とされておらぬようだ、しかしだからといって殺せない。そして我々天界にとっても、消えて貰った方が好都合なのだよ」