星に願いを


「ここにサインをして頂ければ、貴方は私と同じ天使に成れます」
と、妙に事務的な口調で天使は言葉を続け、フラムに純白の紙と羽の付いたペンを差し出した。

しかし、フラムは彼の手を優しく止める。


「絶対“同じ”な訳ないだろ。お前らプライド高ぇんだから」

「……中には」

「シルヴァ」

天界神が後ろから彼を呼び掛ける。


「お主は何も言わなくて良い。そしてフラムよ、確かに天界の天使にも良い心を持つものばかりではない。これは事実だ。しかし、お前なら何か変えられる、私はそう信じている」


――何を根拠に?
――所詮、駒が欲しいだけだろ。

フラムの中に怒りとはまた違う、一種の諦めに近いものが、思考全体を支配する。


「ったく、何処の奴らも変わんねーな。いいか、良く聞いておけ。」


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