星に願いを
「相変わらずの馬鹿で安心したわい。早く落としましょうぞ」
魔王が早く堕としたそうに、口を挟む。
邪魔な羽虫が消える。彼の頭の中はそれだけに見えた。
「……うむ。誠に不本意であるが、そうであるな。シルヴァ」
「承知」
シルヴァが短い同意の言葉を言った瞬間、フラムの腹部に思い切り拳を入れた。
フラムの腹部に激痛が走り、意識が朦朧とする。
突然のことで、フラムは対応することができなかった。
視界がどんどんぼやけてゆく。
意識も感覚も遠のいてゆく。
「……貴様」
「……あ…で……」
「き…こえ……ねぇよ、バカ」
こうして、フラムは堕とされていったのだった。人々の住まう人界へと。