「花が生えた場所からヒビがっ」

ヒビはレオナルドの体表全体に拡がり、覆っていた石状の皮が、バラバラと剥がれ落ちた。

「レオナルド!」

「おお、可奈子。色々有り難う」

レオナルドは、まだ身体に付いている石の破片を払いながら立ち上がる。

「みんな聞こえていたぞ? そこの薄らデカイの。お前、だいぶ私のことが好きみたいだな」

「冗談言うな! 張り合いが無いって言っただけだ!……ってもう聞いてないし」

忌々しいゴブリンは、既に可奈子と盛り上がっている。

「良かったわ。このままずっと石像のままかと思った」

「可奈子が色々動いてくれていて、神はだいぶ迷っていたようだ。だが駄目押しであのデカイのが神を嘲ったのが効いたらしい」


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