「中島さん、いつもご苦労さんですね」

「お、豆腐屋のオクニ婆ちゃん。今日も元気にお散歩かな」

「いえいえ。今日は美容院に行くのよ。年寄りは身なりをきちんとしていないとみすぼらしく見えますからね」

ここは都心と言っても元は下町だった所で、下町情緒に溢れた商店街が有ったりします。

「またまたそんなこと言っちゃって。モンジャ屋の三郎爺ちゃんに見せる為でしょが!」

「あら、また老人をからかうもんじゃないよ。私は人妻だよ?」

こんなやり取りが交わされる日常。

中島先輩は地域の皆さんの誰からも愛される、みんなのお巡りさんでした。


< 132 / 199 >

この作品をシェア

pagetop