その当時。本官にとっての中島先輩は、大変失礼ながら『駄目な先輩』以上のナニモノでもなかったのです。

「犯人逮捕だけが警官の勤めじゃないんだがなぁ」

少し寂しそうに微笑んだ中島先輩の真意を、ただ逆らうことだけを繰り返していた本官は全然汲み取れなかったのです。

「おっ、美佐子ちゃん。今日も綺麗だね。これから店番かい?」

そう。中島先輩もこんな風に、ただ通り掛かる人たちを冷やかしているようにしか見えない様子だったので、本官は余計に反目してしまったのです。


───────


でもある日。

そんな中島先輩だからこそ気付くことが出来た事件が起こったのです。


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