するとすかさず女の子が言いました。

「ちょっとサイブー、意地汚いわよ? それに大事なこと忘れてるでしょっ」

これ位の年頃は、同級生の女子に頭が上がらないものです。それはサイブーも例外ではありませんでした。

「いててっ! つねるなよ、京子ぉ」

さしずめサイブーが番長なら、京子ちゃんは裏番といったところでしょうか。

本官はそんなふたりを見て、自分が小学生の頃を思い出し、柄にもなく胸がキュンとなりました。

「さ。緊張は取れたかな? お客様、今日はどういったご用件でお越し頂いたんですか?」

先輩がうやうやしく頭を下げ、彼らに質問しました。

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