何とか捜査の基本を教えて捜査資料も各人に配り、本官たちは町へと繰り出します。

「では三塚捜査官。本官たちは彼女の家の周辺から聞き込みを開始します」

小さな捜査官たちは本官に敬礼して駆け出しました。

「ああ、車には気を付けて。飛び出したりしないで下さいね!」

「了解ですぅ~」

本官も日頃から身体を鍛えていますので体力には自信が有る方でしたが、やはり彼らの若さには敵いません。

「大丈夫かなあ……」

でもゴム毬のように弾みながら駆けていく彼らを見て、本官は思わず微笑んでいました。

「三塚。お前もだいぶ表情が柔らかくなったよな」

気付くと先輩が自転車に乗って立っています。

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