「三塚はタダなんでしょ? ついでに俺もご相伴に……」

「三塚さんは会費を取らないんなら参加しないと仰ったのよ? 全く! 後輩を見習いなさい」

「なんだそうなのか三塚。気持ちなんだから有り難く頂戴すれば良かったのに」

先輩は本官の頭を軽く小突いてまたペダルに足を乗せました。

「じゃ、俺は歩行者天国の見回りに行ってくらあ」

そう言うか言わないかのうちに、先輩は遥か遠くへ去って行きました。

「あの男。バツが悪くなって逃げたのよ、きっと」

堀内さん、京子ちゃんのお母さんが本官に耳打ちします。

先輩はそれが聞こえたかのようなタイミングで手を振り、角を曲がっていきました。


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