でも、本官は思いました。

先輩みたいに悪態つかれる位じゃないと、本当にみなさんの中へ溶け込んだとは言えないな、と。

良い所ばかりでなく、短所も含めて認めて貰えるようでなければならないのです。

「まあ、いい加減な所がまた親しみが湧くトコなんだけどね。でも三塚さんはあんなになったら駄目よ? あははは」

堀内さんの笑い声が雑踏に掻き消されました。そろそろ歩行者天国に入ります。

ああ。

先輩が居ました。

「先ぱあ〜い」

あれ?

何か様子が変です。

「三塚! みんなをこっちに来させるな!」

険しい顔をして怒鳴っています。


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