橋
広瀬さんは俺が差し入れたお茶のお礼を然り気無く会話に交える。こういう気遣いが大人なんだと、いつも気付かせてくれるんだ。
「俺なんてまだまだガキだよな」
現場へ向かう広瀬さんの背中に向かって呟くと、気持ちを切り替えるべく、ニュー御殿の建築に精を出した。
一心不乱に作業をしていると憂さも晴れ、気付いた時にはもうすっかり夕焼けタイムになっている。
「働くってそうだよ。こうでなくちゃ」
ついこの間までは仕事の有り難みなんかこれっぽっちも考えなかった俺だけど、収入以外にも色んな事をもたらしてくれていたんだと、こうなって改めて再認識している。
「よしっ。今日はここ迄」
体の埃を払って道具を片付ける。せっかく頂いたそれをぞんざいに扱ったらバチが当たるってもんだ。
しかし今日の夕焼けと言ったら、またこの上無い素晴らしさだった。
白い鱗雲のバックに朱色アケイロの空が広がって、ユラユラと揺れながらでっかいお日様が沈んでいく。
その様はまるでサバンナで見る日没の如く大自然を感じさせ、荒んだ俺の心を洗い流してくれているようだ。
「今日もいい物見せてくれて有り難う」
俺は、今日の締め括りを気持ち良く行えた事の感謝も交えて頭を下げた。
「俺なんてまだまだガキだよな」
現場へ向かう広瀬さんの背中に向かって呟くと、気持ちを切り替えるべく、ニュー御殿の建築に精を出した。
一心不乱に作業をしていると憂さも晴れ、気付いた時にはもうすっかり夕焼けタイムになっている。
「働くってそうだよ。こうでなくちゃ」
ついこの間までは仕事の有り難みなんかこれっぽっちも考えなかった俺だけど、収入以外にも色んな事をもたらしてくれていたんだと、こうなって改めて再認識している。
「よしっ。今日はここ迄」
体の埃を払って道具を片付ける。せっかく頂いたそれをぞんざいに扱ったらバチが当たるってもんだ。
しかし今日の夕焼けと言ったら、またこの上無い素晴らしさだった。
白い鱗雲のバックに朱色アケイロの空が広がって、ユラユラと揺れながらでっかいお日様が沈んでいく。
その様はまるでサバンナで見る日没の如く大自然を感じさせ、荒んだ俺の心を洗い流してくれているようだ。
「今日もいい物見せてくれて有り難う」
俺は、今日の締め括りを気持ち良く行えた事の感謝も交えて頭を下げた。