「はぁ。カニだかライチだかって、なんだか旨そうだけどな。俺にはさっぱり解らねぇ」

「フフフッ。面白い人ね」

可奈子は上品に笑って説明を始めた。

そのカニングフォーク達は魔導師だかなんだかに師事して、薬草学から天文学(占星術)錬金術を経た後にやっと魔を操る勉強が出来るんだとか。

「それで私もようやく遣い魔が持てるようになったの。でもぺーぺーの最下級魔導士なんだけどね」

そう言って肩を竦める仕草にも品がある、不思議な女可奈子。

偶然町で拾った可愛い子猫ちゃんは、少し油臭いバイク屋の二階に、まんまと住み着いたんだ。

どうせ俺が手を出して、なし崩し的に彼女みたいな存在にしてしまったんだろうって?

それが俺にも不思議なんだが、可奈子にゃ指一本も触れなかったんだぜ?


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