彼は様々な言葉で(感情で)色んな表情を見せる雲達を表してみせた。

「筆遣いもそうだが、あの色彩だよ。純白だったり、ほんのり青みがかった灰色だったり、旨そうなミルク色だったりで……」

「アダッヂオは絵心が有るのね」

そんなことより魔を操る修行じゃねぇのか? って俺は思うんだけど、可奈子もゴブリンのアダッヂオもちっともそれらしいことを始めねえんだ。

「なぁ、トゥインクル。あれで修行になってんのか?」

「なああああお」

主人をゴブリンに取られてしまった形になっている遣い魔は、知ったこっちゃないとでも言いたげに肩をすくめて鳴いた。


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