「にゃぁぁぁん……うにゃっ!」

トゥインクルの合図と共に駆け出す俺。10m先のゴールでは、ストップウォッチに擬態した遣い魔が待ち構えている。

「だぁっ!」

気合いと共にゴールラインに飛び込んでストップウォッチを仰ぎ見る。

「どうだった!?」

今のは手応え……足応えが有った。立ち上がる時に手を付いた場所、その固まった砂地をスタートの踏み切りに使ったのだ。

そうすることで、柔らかい砂地に吸収されてしまう運動エネルギーを少しでも減らせる算段である。

「うにゃぉ。なご」

だがトゥインクルは、そのあとの走りに納得がいかないようで、あまりいい返事を返さない。


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